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<<   作成日時 : 2007/02/01 00:13   >>

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災害派遣は自衛隊にとって望ましい広報となりうるか

何が自衛隊にとって望ましいと考えるか人それぞれであるが、たとえば国家防衛のための組織である自衛隊への好感を高めることが目的であった場合、その目的にかなっているのだろうか。

伊勢湾台風 作り出された?自衛隊への感謝
 伊勢湾台風 戦後日本の災害対策を整備するきっかけとなった災害において、自衛隊はマスコミを取り込む積極的な広報活動を展開、「『感謝される自衛隊の姿』が実態以上に膨らまされていった」(山本唯人「伊勢湾台風といずみの会 再軍備下の都市災害」『現代思想』2006年1月号p175青土社)とする指摘もある。事実として伊勢湾台風においては各種「作戦」等、自衛隊にとっては見せ場の多い要請内容が多く、山本氏の指摘は誤りとはいえない。
 但し山本氏がその根拠としてあげている(陸上幕僚監部『災害派遣行動史 伊勢湾台風』昭和51年3月)によれば第13普通科連隊長高尾1佐は広報活動はマスコミの要望もあって派手になっていくのにあきれて連隊旗をしまって離れていた、このような考え方は戦争における巧妙争いを生む元、(p455)と否定的な考えを示しているほか、災害派遣を主たる任務にするよう求める論調が新しく出てきたことに注目(p454)しており、氏の「『頼れる存在』としての自衛隊を強くアピールした」とする指摘とは裏腹に災害派遣について積極的に広報活動を行なうことが自衛隊にとっては望ましくない結果を招いていた可能性もまた示唆している。

阪神・淡路大震災 見せ場のない災害派遣
 阪神・淡路大震災 戦後日本最悪の被害をもたらした災害で、自衛隊にとっては初動活動でつまづき、その後も伊勢湾台風に比べれば派手さがほとんどない生活支援活動を中心に行なったこともあり、広報活動には苦労したようで、地道に倒壊家屋解体予定や若いWAC(婦人自衛官 当時)がトラック運転手として活躍している状況などをピンナップとして記者クラブに配布していたようだがあまり効果も無かったようで、中部方面総監部は「部外広報として国民に一番アピールしたのは隊員個人であった。つまり隊員の災害派遣への取り組み方であるといえる。影響範囲は派遣され支援していた地域に限定され、マスメディアに比して狭く、特に取り立たされるものではないが、その影響度は比較にならないくらい深いものであった。」(中部方面総監部『阪神・淡路大震災災害派遣行動史』平成7年6月p191)と総括している。
 
 上記のように見てきた中で、国家防衛のための組織である自衛隊への好感を高めることが目的であった場合、伊勢湾台風においては広報活動の結果が望ましいとはいえず、阪神・淡路大震災においてはそのような広報活動を行なうこと自体が困難だったと考えられる。

 もちろん、前提条件の設定や、この2件だけで広報活動について判断を下すことは出来ないが、災害派遣は自衛隊にとって望ましい広報となりうるかという問題を考える場合に、単純に災害派遣が自衛隊の広報活動に利すると考えるには合理的な疑いの余地があるのではないだろうか。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
自衛隊が出動するときは、必ず誰かが不幸になっているわけでして…
そのような状況で災害派遣を広報に使おうと狙うのは難しい上に失礼な話でもありますね

私はブログでしがない自衛隊小説を書いている「笑う三警補」と申します
ちょうど災害派遣をネタにした小説を書き終わり、参考となるHPはないかと検索したところ、このHPを発見しました
災害派遣についてとても詳しく記されており、私も知らないことがあって大変勉強になりました

もしよろしければ私のブログからそちらのHPへのリンクを張ってもよろしいでしょうか?
ぜひとも多くの人に見てもらいたい(といってもそんなに訪れる人のいないブログですが…)と思いますので、よろしくお願いします
笑う三警補
URL
2007/02/04 20:17
「自衛隊法第83条」完結おめでとうございます。実はちょくちょく読んでおりました。
リンクの件、リンクフリーですのでご自由にどうぞ、ただ、コメントを書いていただけることが少ないのでコメントいただけたことありがたく思います。
広報の件、災害派遣誌などを読むと募集に効果があったとかかれていたりしますし、そういった面を取り上げて自衛隊を非難する論調もママ見られるようですがが、反面災害救助隊にすべしという意見が強まったり、物事ですので一概にどうこう言えるものでは無いのかなーという気持ちで書きました。
ぷよ
URL
2007/02/05 22:46
読んでいただいてたとは光栄です
拙文ではありますが、それなりに災害派遣の一面を書けたのかな?という自負はあります

自衛隊が目立つのは、何か悪いことがあったときくらいですからね
その点で言えば、最近の自衛隊の注目度はそのまま日本の置かれている状況を表しているのかな?とも思います…
笑う三警補
URL
2007/02/11 21:33

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