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zoom RSS 検証「新潟県中越地震」災派オペレーション(『朝雲』2007年1月31日)に対する所感

<<   作成日時 : 2008/02/03 11:45   >>

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8ぺージの紙面のうち見開き2ページを使用した、長島衆院議員(旧山古志村村長)と今金1陸佐(当時 30普連長山古志村の救援担当)の対談記事。気になった個所をピックアップ。

●ヘリによる全村避難

・14集落に分散した約2000人のヘリによる避難支援
・航空統制は県庁に関係機関のパイロットを集めて地図上で実施
・夜間の空輸も実施した。以前、演習場外への夜間着陸訓練を実施しておりそのことが夜間空輸につながった。
・連隊長が村長と24日昼前に初めて会って、24日13時には全村避難の依頼がなされている。
・25日夕方に降雨が予測されていたため、依頼から避難完了までの時間は約30時間しかなかった。
・孤立した各集落への連絡は村職員、孤立集落からの伝令が徒歩により、また、自衛隊員が孤立集落にリぺリングで降りて伝えた。
・山古志村の避難に関しては事実上30普連が他機関も傘下に入れ取り仕切った(ヘリの勢力から見れば当然か?)
・村長が各集落の人口を把握しており避難計画の策定に役立った。
・避難期間は短期と思われていたため、着のみ着のまま避難した人がほとんどだった。

●その他
(長島衆院議員)
・もともと小さかった役場機能すらすべて失われた状況すべて自衛隊に委託する形になった。
・給食、入浴支援については「依頼できると教わって」依頼した。
・大災害の絶望の中で最初に希望を与えてくれたのが自衛隊員の立派な行動だった。
・2ヶ月間自衛隊員がそばにいてくれて安心感があった。

(今金1陸佐)
・今回は適切な時期に「決心」があったため活動がやりやすかった
・自衛隊には「能力」と「枠組み」においてできることとできないことがある。


●ぷよ所感
 行政としてどうしようもない状況下にあって、役立つ提案を受け感動するというパターンは、雲仙岳噴火により対策実働部隊である警察官や消防団員を失い打つ手なしになっていた島原市の状況や阪神・淡路大震災における神戸市の行政区(救援物資の配送に職員が取られ業務執行が難しかった)の状況に似ている。

 今金1陸佐が言うように、自衛隊には「能力」と「枠組み」においてできることとできないことがある。災害の現場で特に問題となるのは「枠組み」(災害派遣の3原則への合致)であり、首長の「決心」によりある程度の裁量を持って「枠組み」が決定される災害派遣の制度においては、いかに首長が早く、適切な「決心」を行うことができるかが分かれ目となる。
 
 大規模災害時においては一様に行政機能がマヒすると考えがちだが、大規模自治体の場合は企画立案を行う職員と実務を担当する職員が分離できるため、首長の意思決定をサポートできる職員有するのに対して、小規模自治体の場合は企画立案を行うべき上級職員までも実務に引き込まれ、首長がひとりで判断しなければならない精神的につらい場面が多いのではなかろうか。

 ということであれば大きな被害を受けた被災地への災害派遣を成功に導くために、自治体への対応も変えたほうが良いのではないかと思う。

 小規模自治体の場合
 ・災害派遣活動全般について即決できる派遣部隊指揮官(連隊長・大隊長クラス)が首長のブレーンとして救助および当座の食事、避難場所の確保に道筋をつけられるまで支援する。(その後職員が落ち着けば徐々に身を引く) 首長として当初考えること、そして待ったなしで要求されることはおおむね前記3点と思われるので、これらの要望について自衛隊の派遣部隊指揮官が即決し手配できれば首長の精神的なつらさが解消されひいては災害派遣活動全般への信頼につながる。

 大規模自治体の場合
 ・早急に首長と指揮官(師団長・旅団長クラス)が会談し、首長への全面的な支援を約束し、大枠の活動内容と細部は現地調整する旨合意する。こうすることで自治体側の企画立案を行う職員が自衛隊と協議し要望を出しやすい環境を構築する。
 また、同一災害においても地域性により要求される支援内容は異なるため、全般の緩やかな統制(派遣規模・期間)を受けつつ、個々の地域ごとでは小規模自治体のパターンに近づけることでより効率的な活動になると考える。

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